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ひとりごと

道後温泉と坊っちゃん

2016年06月19日
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先日、弊社の慰安旅行がございまして(^^)松山市、道後温泉の宿へ一泊。鋭気を養わさせていただきました。ということで今回は「道後温泉本館」と夏目漱石の小説「坊っちゃん」の話。「道後温泉」…伊予鉄の「道後温泉駅」を降り立つとそこは明治時代の風情。近年ではジブリ作品の「千と千尋の神隠し」の舞台、油屋のモデルの1つとして有名。和洋一体の不思議な外観は確かに油屋ですね(…ちなみに油屋の内観のモデルは黒雅叙園の宴会場だそうです)

 

温泉街は「坊っちゃん」のキャラクター人形やお土産、そして漱石ゆかりの石碑が目を引きます。この小説と漱石を旗頭に地域の人々が一体となって街作りを進めていることがよくわかりますね。さて、有名な道後の朝湯を体験しようと朝6時前に起床して本館前へ行くと長蛇の列が…朝の6つの刻太鼓の音ともに開館。一階の「神の湯」でゆったりと入浴し上階の100畳の休憩室へ。汗取りの湯玉ゆかたに着替え、天目台にのった砥部焼の湯呑みで飲むお茶とお菓子が美味しいです。いやホントにくつろぎます。

 

この小説「坊っちゃん」は漱石が英語教師として松山に赴任していた頃の体験を元に明治39年たった10日足らずで書かれたユーモア小説です。前作の『我輩は猫である』が評判になり本格的に漱石が小説に取り組んだ作品と言われています。私は学生の頃「坊っちゃん」を読んだのですが道後温泉を訪れてからこの小説に興味をもたれた皆様に少し解説…以下3点(^^)

 

1、漱石は意外にも松山人をこき下ろしている(笑)
2、現在の松山人は「~な、もし」とは言わない…
3、マドンナは坊っちゃんの恋人ではなく英語教師うらなりの許嫁である。

 

「道後温泉」を訪れてから「坊っちゃん」を読む方はこの3点にビックリされるかも。

 

まず1ですね…これはもう辛辣です(爆笑)…不浄の地とまで言っています。もちろんこれは漱石の計算で最先端の東京から田舎の松山へ教師としてやってきた「おれ」(坊っちゃん)のカルチャーギャップがこの小説のユーモアのベースになってます。そんな田舎で「おれ」が唯一認めたのが「住田の温泉」…小説に登場する「道後温泉」です。坊っちゃんは紅色のタオルをぶら下げ毎日足げしく温泉に通います。道後温泉の貸しタオルも紅色、有名な湯船で泳ぐべからずの貼り札も神の湯にはホントにありました(^^)。当時、村民が反対するほど巨額の費用で最新型の三層楼に改築された道後温泉本館。今風に言うと…とんでもない田舎になぜかビックリするような金ピカのスパリゾートがある…そんな風に漱石の眼に写ったといった感じでしょうか?そんなところもクスッときます。

 

さて2、この小説は「おれ」(坊っちゃん)の1人称の語りなんですがチャキチャキの江戸っ子の坊っちゃんに対し生徒たちが「~な、もし」と語尾につける伊予弁(いよべん)の対比がホント面白い。田舎者に舐められたくないと居丈高に早口で講義をする坊っちゃんに「もちっと、ゆるゆる遣やって、おくれんかな、もし」とゆる~い伊予弁で返す生徒。生徒たちの田舎者らしいゆるさと天然ぶりに「べらぼうめ!」とイライラする坊っちゃん。この滑稽さには思わず吹き出してしまいます。でも、現在の地元の方は「~な、もし」とは言わないらしいです。

 

さて3、温泉街の撮影スポットには坊っちゃんとマドンナがお雛様の様に並んだ顔ハメあったりするのでこの二人は恋仲というイメージがありますが原作を読むと全く違います。若くて魅力的な女性、同僚の英語教師うらなり婚約者という設定で坊っちゃんと親しい間柄であるというような記述は全くなし。ただ前半のユーモアあふれる滑稽な人間描写から後半の義理人情の人間ドラマに切り替える触媒としてマドンナというキャラクターは重要ですね。赤シャツがうらなりの婚約者マドンナに横恋慕するため企んだ陰謀に義憤を感じた坊っちゃんの毅然とした態度がこの小説のクライマックスとなります。晩年の漱石はより複雑で「悟り」のような境地を描く作品を発表しますが初期の作品、中でも「坊っちゃん」はユーモアたっぷりで読みやすく大衆的な作品です。実は「坊っちゃん」は西欧列強に対峙する明治の「日本人」そのものであるという説があります。当時の歴史などと合わせて深読みすると…うーん、確かにそうですね…納得。

 

漱石はかつての千円札に選ばれる程の文豪…「国民的作家」という扱いを受けているのはこのように作品に込められた漱石の「日本」への思いの強さが読み返すたびに理解できるからではないでしょうか。道後温泉に入った後は…小説「坊っちゃん」オススメです…(^^)

 

こう考えると道後温泉街にとって漱石は最強の販促プランナーでありライターなのかなと思います。トレンディもお客さまにとってこんな存在であるように頑張ります。

 

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